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第285話 

自己本当にどんどん幼稚になっている。

離婚したはずなのに、まるで子供のように、誰かからお菓子を奪おうとするかのような気持ちになっている。

皆に向かって、自分が手放したはずの「お菓子」がまだ自分のものであり、食べたくなったらいつでも食べられるのだと示したい。

これは幼稚ではないのか?さらに言えば、独占欲そのものだ。

......

遠藤花は電話を切り、スマホをポケットにしまいながら、頭をかき、困惑した表情で言った。「お兄ちゃん、若子ってもう離婚してるんだよね?でもなんで彼女がまだ元夫と一緒に過ごしてるの?朝早くに彼が電話に出たってことは、明らかに昨夜は一緒に......寝てたってことだよね」

兄の表情を伺いながら、遠藤花はだんだん不安になってきた。

遠藤西也は既に服を着終えており、

白い家着が明るい色合いであるにもかかわらず、その顔は暗雲に覆われていた。

「遠藤花、お前はもう帰れ」

遠藤花は兄の顔色がいつもと違うのに気づいた。怒っているわけでもなく、ただの怒り以上に、もっと怖い感情がそこにあった。

「お兄ちゃん、大丈夫?これってただの誤解かも。もう少ししたら若子に連絡して、どういうことか聞いてみるから」

「お前はもう帰れ」遠藤西也がもう一度そう言った。その声は穏やかだが、遠藤花には彼の声色から、すでに苛立っていることが分かった。

普段なら兄に冗談を言ってからかうこともあるが、今の雰囲気ではとてもそんなことはできなかった。

兄が好きな女性が他の男と一緒にいたことを知り、今ここで兄を刺激するようなことをしたら、きっとひどく怒られるだろう。

「それじゃ、私は帰るね。でもお兄ちゃん、私はいつでもお兄ちゃんの味方だから。愛してるよ」

彼女は指でハートを作ってみせながら、そっと部屋を出ていった。

遠藤西也は浴室へ向かい、身支度を整えてから家を出た。

車を走らせながら、彼には行く宛もなく、本来なら会社に向かうべきだったのに、いつの間にか過ぎ去ってしまい、車のスピードは増す一方だった。

なぜ、若子はまた修と関わっているのか?

彼らはもう離婚したはずだ。

修が若子をどれほど傷つけたか、彼女がやっとその関係から解放されたはずなのに、なぜまた彼に関わることを望むのか?

松本若子、一体どうしてなんだ?

たとえ心の中で彼をまだ愛していたとしても、こん
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